水をいくら飲んでも喉が渇く
喉の渇きは通常の反応ですが、過度に感じる場合は医療的な注意が必要です。糖尿病は喉の渇きを引き起こす一般的な病気ですが、他の疾患も原因となるケースもあります。
水を飲んでも渇きが止まらない、以前に比べて喉が渇く頻度が増えた、頻繁な尿意や多量の尿がある場合は、速やかに医師の診断を受けることをお勧めします。
喉が渇く原因は
糖尿病の可能性も
喉が渇く症状が続く場合、その原因として糖尿病が考えられます。糖尿病では、体内で血糖値が高くなり、これが体に様々な影響を及ぼします。その結果、体が過剰な水分を必要とし、喉の渇きを感じることがあります。この症状が続く場合は、糖尿病の可能性を考慮して、早めに医師に相談することが大切です。
糖尿病だと異常に
喉が渇く理由
糖尿病で喉が渇く理由は、血糖値の上昇が原因です。
具体的には次のようなメカニズムがあります。
高血糖状態
糖尿病では、インスリンの分泌不足や作用不全により、血液中のブドウ糖(血糖値)が高くなります。
腎臓の働き
高血糖になると、腎臓は余分な糖を尿と一緒に排出しようとします。この過程で大量の水分が一緒に排出され、頻尿になります。
脱水症状
頻繁に尿を出すことで体内の水分が失われ、脱水状態になります。体はこの水分不足を補うために喉の渇きを感じます。
このため、糖尿病の人はしばしば異常に喉が渇くことがあり、多飲多尿(頻繁に飲み、頻繁に排尿する)といった症状が現れます。
糖尿病かもと思ったら?
その他の症状
糖尿病は、喉の渇きを感じる病気の1つです。糖尿病患者様の血液中にはブドウ糖が多く含まれており(高血糖)、その結果血液が粘り気を帯びます。体はこの状態を正常化しようと水分を求めます。通常、血糖値が250 mg/dl を超えた時に、喉の渇きを強く感じるようになります。
尿量の増加・夜間の頻尿
喉の渇きにより水分摂取が増えると、尿量も自然と多くなります。以前と比較して尿量が増えたり、夜中に何度もトイレに行ったりすることで睡眠の質が低下する場合があります。
尿の泡立ち
糖尿病による血液の粘度増加は、腎臓の糸球体にダメージを与え、尿中に蛋白質が混入し、泡立ちを引き起こすことがあります。
疲労感・だるさ
高血糖状態では、身体が血糖を効率的にエネルギーとして利用できなくなるため、疲れやすく、常にだるさを感じることがあります。
手足の痺れ
糖尿病が進行すると、神経細胞に有害な物質が蓄積し、血液の粘度増加により末梢神経への栄養や酸素の供給が不足し、手足や指先に痺れを感じることがあります。
体重減少
インスリンの作用不足により、食事からのブドウ糖をエネルギーとして使用できず、代わりに脂肪や筋肉のたんぱく質が分解されるため、食べても体重が減少することがあります。
糖尿病以外で喉が渇く病気
糖尿病は、喉の過度な渇きを引き起こす病気としてよく知られていますが、他の病気によって喉の渇きが強く現れている可能性もあります。重要なのは、このような症状が持続する場合には、診察を受け、原因を明確にし、適切な治療を受けることです。もし喉の異常な渇きが続いている場合は、ぜひ当院へご相談ください。
シェーグレン症候群
自己免疫疾患で、唾液腺や涙腺が攻撃され、口や目が乾燥します。これにより、喉の渇きも感じることがあります。
慢性腎不全
腎臓の機能が低下し、体内の水分バランスが乱れると、喉の渇きや頻尿が生じることがあります。
副腎不全(アジソン病)
副腎が十分なホルモンを分泌できない状態で、体液のバランスが崩れ、喉の渇きや脱水が見られることがあります。
甲状腺機能亢進症
(バセドウ病)
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、新陳代謝が過剰になり、多尿や脱水が進み、喉の渇きを感じることがあります。
高カルシウム血症
血液中のカルシウム濃度が高くなる状態で、頻尿や脱水が起こり、喉の渇きが生じることがあります。