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ピロリ菌検査

ピロリ菌とは

ピロリ菌とはヘリコバクター・ピロリ、一般にピロリ菌と呼ばれる菌は、胃の粘膜に寄生するらせん形の細菌です。胃酸の強酸性環境で生きることができる数少ない生物です。
かつて、胃の中に生物はいないと言われてきましたが、ピロリ菌の存在が知られると、胃炎や胃潰瘍などの胃疾患と関連があることも指摘されるようになりました。
多くの方が子供の頃に感染し、除菌しない限り胃に定着し続けます。ただし、感染しただけで症状を感じるケースは少なく、胃炎の発症や検査で発覚することがほとんどです。

ピロリ菌感染の症状

実はピロリ菌が胃に定着しているといっても、常に症状が現れるということはありません。ピロリ菌が原因で何らかの病気が発症したときのみ症状が出ます。それもピロリ菌保菌者の約3割程度と言われています。
胃に感染して胃炎や胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病など様々な病気を引き起こします。
特にがんは日本人の死因の第1位になっていて、中でも胃がんは大きな割合を占めています。そして胃がんのほとんどはヘリコバクター・ピロリ菌と関連があると言われています。

ピロリ菌は唾液でうつる?
感染経路

ピロリ菌感染の症状ピロリ菌は、主に家庭内での食べ物の口移しや食器の共有を通じて親から子へと感染することが多いとされています。現代の日本のように衛生環境が整っている場所では、水や食べ物からの感染は稀です。免疫力が未熟な4歳以下の子供が感染しやすく、一度感染すると除菌治療を受けない限り持続します。
成人後の感染リスクは低いですが、ピロリ菌検査で陽性が判明した場合は除菌治療が重要です。また、50代以上の人の中には高い割合でピロリ菌に感染している方がおり、これらの方々から若い世代へ感染しているケースも少なくありません。

ピロリ菌感染による病気

ピロリ菌の感染は多くの場合無症状ですが、長期間にわたる感染により、胃の機能が落ちてしまい、胃液の分泌不足を引き起こすことがあります。これにより、食欲不振、胃のもたれ、胸焼け、ゲップなどの消化器症状が現れる可能性があります。ピロリ菌に関連する疾患には、以下のようなものがあります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

ピロリ菌は、胃粘膜に付着して毒素を放出する細菌です。この毒素が胃粘膜の炎症を引き起こし、結果として胃の自己防衛機能が弱まります。その影響で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の発症リスクが高まるのです。

慢性胃炎

ピロリ菌は胃の内壁に定着し、アンモニアを生成します。このアンモニアが胃粘膜にダメージを与え、長期間にわたると慢性的な胃炎の原因となります。

萎縮性胃炎

ピロリ菌が引き起こす慢性胃炎が悪化すると、胃液を含む消化液の分泌機能を持つ健康な胃組織が減り、胃粘膜が薄くなって萎縮性胃炎に至ります。この状態では胃の機能が著しく低下し、胃液の分泌不足が起こり、結果として食欲不振、胃のもたれ、胸焼け、ゲップなどの症状が現れる可能性が高まります。

胃がん

ピロリ菌による長期感染は胃粘膜の萎縮を引き起こし、これが続くと腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)のリスクを高め、胃がんの発症確率を増加させます。胃がんの患者様の大多数がピロリ菌の感染歴を持っていることが報告されており、胃がんとピロリ菌との関連性は明らかになっています。

ピロリ菌の検査方法

ピロリ菌の検査方法には、胃の組織を直接観察してピロリ菌の有無を確認する内視鏡検査と、呼吸中の二酸化炭素を分析する呼気検査、血液や尿から抗体の有無を調べる検査、そして便中のピロリ菌抗原を検出する検査があります。

ピロリ菌抗体法

血液や尿のサンプルを採取し、ピロリ菌感染によって体内で生成される抗体を検査することで、感染の有無を確認します。

尿素呼気検査法

ピロリ菌の検査には、胃内での尿素の分解活動を利用した呼気検査があります。この方法では、特別な尿素薬を服用してから15~20分経過した後に呼気を採取し、その中の二酸化炭素の比率を分析してピロリ菌の存在を確認します。
除菌後の確認に適しています。

ピロリ菌の除菌

ピロリ菌の除菌ピロリ感染が確認された場合は、医師と除菌療法について一度ご相談ください。
除菌療法は、胃酸分泌抑制薬1種類と抗菌薬2種類を含む3種類の薬を毎日2回、7日間服用する治療です。治療完了後、約8週間後に再検査を行い、ピロリ菌が除去されたかを確認します。

ピロリ菌除菌の
成功率は?

適切に薬を服用した場合、ピロリ菌の初回除菌療法の成功率は約80%とされています。もし初回の治療で除菌が不成功だった場合、異なる抗菌薬を使用して二次除菌療法を行います。この二次治療を適切に実施すれば、大多数のケースで除菌に成功するとの報告があります。

ピロリ菌検査の費用

1回目の除菌が失敗した場合、2回目までが保険診療の対象となります。
2回の除菌でほとんどが除菌可能となっています。
保険負担割合・薬剤料・生検の数などにより変動します。

内容 3割負担の場合
胃カメラ+生検+ピロリ検査 8,500円前後
胃カメラ+ピロリ検査 4,500円前後

※費用は保険適用で3割負担の場合です。
※上記費用に加えて初診料、薬品代がかかります。