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動悸

少し動いただけで動悸がする

少し動いただけで動悸がする動悸とは、心臓の鼓動を強く感じる状態です。脈の乱れや速い心拍(1分間に101回以上)だけでなく、心拍が遅い状態も含まれます。健康な方に発生することもありますが、重大な疾患によって生じているケースもあります。激しい運動後には通常、動悸は落ち着きますが、日常の軽い活動や安静時にも動悸や息切れがある場合は、大動脈瘤や心筋梗塞、狭心症の可能性が考えられます。動悸を感じたら、放置せずに早めにご相談ください。

動悸の種類

動悸には主に次の3つのタイプがあります。

脈が飛ぶ、乱れる、胸が詰まったように感じる

脈が不規則に1回飛んだように感じます。これは良性の不整脈で、健康な方にも起こり得るものです。ただし、脈が飛ぶような動悸が長く続く場合は、何らかの疾患がある可能性があります。

胸のドキドキ感が強い、脈拍音が聞こえる

過度の緊張やストレスなどの影響で、自律神経のバランスが不安定になっている時に起こります。気になる場合は早めにご相談ください。また、睡眠不足やカフェインの過剰摂取などが原因となるケースもあります。

脈が速い、激しい

心拍が速くなる動悸は、何らかの疾患が隠れていると考えられます。ただ循環器疾患以外でも、心拍が速くなる動悸が起こることはあるため、放置せずに受診をおすすめします。

危険な動悸の症状チェック

  • 吐き気や嘔吐
  • ふらつきやめまい
  • 息苦しさや呼吸困難
  • 胸痛
  • 冷汗
  • 失神、一時的な意識消失
  • 咳や痰が続く
  • 呼吸音の異常
    (ゼーゼー、ヒューヒュー)
  • 軽い運動でも息切れする
  • むくみ
  • 倦怠感

めまいやふらつきがある場合、血圧低下や貧血が起こっている可能性が高いです。また、息苦しさや呼吸困難は心不全などの心疾患の可能性が、息切れに倦怠感やむくみが伴う場合は心臓病の可能性が疑われます。
吐き気、嘔吐、胸痛、呼吸困難、意識喪失などの症状がある場合は、心筋梗塞のリスクがあるため、速やかに受診してください。さらに、咳や痰が伴う場合は肺炎や慢性閉塞性肺疾患を疑うべきです。
このように、動悸が発生する場合、特に他の症状と併発するときは、重大な健康問題の兆候である可能性が高いため、お早めにご相談ください。

動悸の原因

動悸は、疾患が原因で起こることもあれば、ストレスや過労、睡眠不足による自律神経のバランスの乱れから生じることもあります。薬の副作用、アルコール摂取、脱水症状も動悸の原因になり得ます。もし動悸が気になり、医師の診察を受ける際は、お薬手帳をお持ちいただき、現在服用している薬について医師にお伝えできるようにしてください。

不整脈

心房細動

心房が不規則に収縮し、心拍が速くなる不整脈です。動悸や胸の不快感を引き起こすことがあります。

心室頻拍

心室が異常に速く収縮する不整脈で、動悸や胸痛、息切れを引き起こすことがあります。

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心不全

心臓のポンプ機能が低下し、心臓が血液をうまく循環させられない状態です。動悸や息切れ、浮腫(むくみ)などの症状が見られることがあります。

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狭心症

動脈硬化によって冠動脈の血流が減少し、心臓に十分な酸素が供給されなくなるため、動悸や胸痛などの症状が現れる疾患です。

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心筋梗塞

心筋の血流が途絶え、心筋が損傷する状態です。急性の動悸や胸痛、呼吸困難が生じることがあります。

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心臓弁膜症

心臓の弁に異常がある場合、心臓が効率的に血液を送ることができず、動悸や息切れを引き起こすことがあります。

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高血圧

高血圧によって心臓に負担がかかり、動悸を感じることがあります。長期間の高血圧は心疾患のリスクを高めます。

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自律神経の乱れ

ストレスや不安が自律神経に影響を与え、動悸を引き起こすことがあります。これには、パニック発作や過換気症候群が含まれます。

貧血

血液中の赤血球やヘモグロビンが不足する状態で、心臓が十分な酸素を供給するために動悸を感じることがあります。

呼吸器疾患

慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息など、呼吸が困難な状態でも動悸が生じることがあります。

甲状腺機能亢進症
(バセドウ病)

甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、心拍数の増加や動悸が見られることがあります。

薬物の副作用

一部の薬物(例えば、去痰薬、抗うつ薬など)は副作用として動悸を引き起こすことがあります。

心臓腫瘍

心臓に良性または悪性の腫瘍が存在する場合、心臓の機能に影響を与え、動悸が生じることがあります。

ストレスで脈が飛ぶ理由

ストレスで脈が飛ぶ理由心臓の鼓動は交感神経によって調節されており、緊張や興奮時には脈が速くなることがあります。これは交感神経が活性化し、心拍数を増加させて血液を多く送り出すためです。
しかし、ストレスが交感神経に悪影響を及ぼすことがあります。、適度なストレスは「やる気」を引き出しますが、ストレスにさらされる期間が長かったりストレスが強くなったりすると、交感神経の機能が低下してしまい、心臓のリズムに乱れをもたらすことがあります。多くの不整脈は重大な心疾患とは無関係であり、心配する必要は少ないとされていますが、ストレスが持続すると免疫力が落ち、体調不良を招いてしまいます。

動悸の検査

問診

問診動悸が発生した際には、状況について振り返られるようメモしておきましょう。
受診時に以下の情報を提供していただけますと、よりスムーズに状況について把握できます。

  • 動悸が起きた時に何をしていたか(例:家事、運動)、または安静にしていたか。
  • 動悸の感じ方、どの程度続いたか。
  • 動悸が突然に始まって突然に止まったのか、それとも徐々に始まり徐々に治まったのか。
  • 脈拍数がどれくらいだったか。
  • 脈拍が規則的だったか、不規則で脈が飛ぶなどの症状があったか。

心電図検査

心音や脈拍を調べた後に行います。必要に応じて、心エコーや血液検査、レントゲン検査も行います。また、ご自宅で行えるホルター心電図検査にも対応しています。

心エコー検査
(心臓超音波検査)

心機能によって不整脈を引き起こしていないかを検査するために、心エコー検査が行われます。この検査により、心臓の状態を詳しく調べることができます。

レントゲン検査

心臓の拡大、肺のうっ血、胸水がないか検査した後、心不全の可能性がある場合はレントゲン検査を行い、適切な治療法を決定します。

血液検査

循環器疾患、血糖値、甲状腺機能障害、貧血などがないかを検査します。近年では、BNPやproBNPという脳性ナトリウム利尿ペプチドの値を測定することで、心臓への負担の度合いを把握することが可能になりました。

動悸の受診と治療について

動悸の受診と治療について動悸は一般的な症状であり、健康な方にも発生しますが、時には心臓やその他の疾患のサインとして生じるケースもあります。
「動悸が頻繁に起こる」、「他の症状と一緒に現れた」場合は、循環器内科での診察が推奨されます。治療は原因に基づいて行われるため、専門医による正確な診断が重要です。もし動悸に関するお悩みがあれば、適切なアドバイスと治療を受けるためにも、ぜひ当院へご相談ください。